視点を変える大切さ

「視点は多くの選択をもたらす」


思い込みを捨て、角度・方向を変えてみる

視点を変えるって?

どうも人間は変化をあまり好まないみたいです。そのためいつも同じ視点で物事を考え、選択肢も似たようなものばかりになります。
このような状態では変化を求められた時や問題解決の際に頭を抱え、現状打破が難しくなります。
選択肢を増やすためには視点を変えることを意識してください。
視点を変えるとは「別の角度」「別の捉え方」に変えるということ。
今回は「見方を変える方法」と捉え方を変える方法として「思い込みを捨てること」を視点を変える方法として紹介していきます。

視覚情報は7、8割を占める

人間の感情は外界からの情報や刺激を受け取り、それを脳で処理し、過去の経験や信念、価値観などを合わせることによって生じます。
人間には外部情報を取り入れる際に使われる五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)というものがあります。
中でも視覚情報は人間にとって最も重要な感覚で、外界から得る情報のうち、70~80%を占めると言われています。
楽しいものを見れば楽しくなりますし、逆に暗いものを見れば暗くなります。
ということは「楽しくないな」と思ったらまずは見方を変えてみて下さい。

方向を変える
正面から見ると丸型に見え、後ろから見ても丸型。しかし、横から見ると四角に見える。さらに視点を遠ざけ、色んな方向から見てみる。これは円柱だということが分かりました。このように色んな方向から見ることによってその正体がよく見えてきます
では次の人はどのような人に見えますか?

あなたは毎日残業が絶えない職場で働いています。そんな中、職場に新しい人が入ってきました。
彼はいつも遅刻ギリギリに出社し、残業もせず定時ピッタリに退社していきます。

どうでしょうか?ここだけを見ると自分勝手な人だなと思われるかもしれませんが、実際には大きく異なります。
彼には小さい子供がおり父子家庭でした。毎日朝早くに起きて子供の弁当を作り、預けてから会社に来ていたのです。残業をしないのも子供を迎えに行くためで、定時で上がったとしても預け時間を超えてしまい、預け先でいつも小言を言われています。帰ってからはご飯を作りお風呂に入れ、子供が寝てから自分も泥のように眠りにつく。

最初の側面だけで断定して「みんな残業して頑張ってるんだからあなたもやってよ」と言いそうですが、後からの背景を交えると言い方は変わってきませんか?こういう実際とは異なる判断をしてしまうことは多々あります。
一面だけで判断して断定することはいろんな可能性をゼロにし、お互いに良くない方向に行ってしまいます。
何かの問題にぶつかった時、自分を見つめる時、相手を見る時など様々な場合にはいろんな側面を見るように心がけましょう。


フィルター通して見る
「君の名は。」をご存じでしょうか?
都会で暮らす少年と田舎町で暮らす少女の身に起きた「入れ替わり」という謎の現象と、1200年ぶりに地球に接近するというティアマト彗星をめぐる出来事を圧倒的な映像美と音楽で描くアニメーション映画です。
当時私は会社勤めで朝6時半に起き、7時半には出社し、夜20時に帰宅。そして23時には就寝するという毎日を過ごしていました。
特に会社に不満があったわけではありませんが、「毎日同じことばかりで面白くない」と思っていました。
そんな時に後輩から勧められたのが「君の名は。」でした。ストーリーも素晴らしかったですが一番印象が残ったのは映像美でした。
この映画は実際の都会や田舎町が描かれており、当時モデルとなった場所などは観光客でいっぱいになっていました。
私も映画を見て数日後にはこのモデルとなった場所をまわったのですが、そこで見たのはどこにでもある普通の風景。
ここでハッとしました。
何気なくいつも見ている風景でもフィルターひとつでここまで綺麗に見ることが出来る

それからいつもの日々に戻って、いつもぼーっと歩いてた道を「君の名は風に見たらどうだろ?」と思いながら歩くようになり、それまで何も思わなかった日常に色が入り楽しく歩くようになりました。

視点を変えることは、単純に角度を変えて見ることもできますが、誰かのフィルターを通して見ることも見方を変える方法としては有効だと思いますので是非活用してみて下さい。

思い込みが視界を曇らせる

先ほどは入ってくる情報の見方を変えることに対して、次は思い込みを捨てるということを紹介します。
丸ではないのに丸に見えることがあるのをご存じでしょうか?
凸凹した少し楕円形に近いものが丸に見えてしまうことがあります。
他にも天井のシミが人の顔に見えたり、実際には無いものが見えたりすることもあります。
この現象は心理バイアス(思考や判断が無意識に偏る)という心理現象が原因です。
一種の自己催眠のような思い込んだ状態では先ほどの球体を横から見てたとしても球体に見えてしまいます。
嘘と思われるかもしれませんが、慣れた仕事だからといって作業している時に他の人から注意されたことはありませんか?
自分ではちゃんと見てる場合でも実際にはちゃんと見れていない場合は多々あります。過去の研究結果でこのような結果が出ました。
 組織心理学者のターシャ・ユーリック
「95%の人が『自分のことは自分がよく分かっている』と回答したが、実際の理解度は約10%」

自分は先入観や思い込みなんてしていないと思っていても無意識に感情が混ざり曲がって見えるのはよくあることです。
このことをしっかりと意識してまっさらに見ることを心がけましょう。

視点を変えると世界が変わる

今回は視点を変えることについてご紹介しました。
近年、ネットの普及により、考えなくても検索ですぐ答えが出せたり、不完全であってもある程度AIが補完してくれる時代になりました。便利な世の中になり面倒事が減ること自体は素晴らしいですが、そればかりでは視点は一定で視界は狭くなり、新たな選択肢が見つけられなくなります。
自分の人生を左右するような選択にはやはり自分で決めた方が幸福度、満足度は増します。人間は感情の生き物ですから。
大事な選択をする時には思い込みを捨て、いろんな角度で見て、しっかり選択できるよう一緒に頑張っていきましょう。

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